片渕須直監督『この世界の片隅に』を109シネマズ二子玉川で観てきた。
マイマイ新子と千年の魔法』やNHKの『花は咲く』アニメ版PVに胸震えた者としては観ない訳には行かない。

物語は昭和と共に生を受け、広島に育った女性・すずの少女期から細かなエピソードを重ねて進む。
絵を描くことが好きで、のんびり屋で少し抜けたすずの日常を、暖かな眼差しで水彩画のように淡く描く冒頭はひたすら胸が温かくなる。
18歳で呉に嫁ぎ、大東亜戦争の色も生活への影響が濃くなる中、すずはただおっとりと、黙々と<普通>に生きてゆくのだが……。

すずは困ったり照れたりすると、きゅっと小さな花がつぼむように笑う。そのさまを観るたび、僕の心もきゅっと反応してしまうのだ。

柔らかな線とにじむ優しい色彩で正確に描写される戦艦大和のフォルムや空襲描写は、反して後々、僕らの胸に残酷に突き刺さる。

君の名は。』のように公開規模は大きくなく、キャッチーなストリー展開ではないが、今年観るべきアニメ映画の一本であることは間違いないと思います。

声優としての「のん」ちゃん存在で、この映画の30%は成立してました(^<^)

予告編だけでぐっときます。
http://eiga.com/movie/82278/video/