09年映画を一言コメント(補完編1)

 元旦に、去年観た映画ランキングを作って自己ブログ内リンクを貼っていて気づいたのだが、観っ放なしの映画が結構な数ある。感想が難しくて先延ばしのまま書かなかったものもあるし、思い出したくもない映画で本当に忘れちゃっていたものも。また、ブログに映画の感想を書くということを始めたのが09年6月だったので、それ以前に観た作品に関しては勿論書いていない。
 ってことで、全力風邪引いてベッドからも出られない状況なので、ヒマ潰しに09年映画備忘録(補完編)を棚卸ししてみようかなと思い立ちました。あ、本当に忘れてたいようなヒドイ映画はメモすらするっと看過します。


『悲しいボーイフレンド』
 試写で観た。モチーフとなった渡辺美里の曲は世代的にストライクだし、映画の設定としては悪くはないのだが、手駒が少なすぎて、すべてが冗長に感じてしまったのは残念。あと、オカルト的な着地も。


『禅 -ZEN-』
 チケットをもらったので観た。中村勘太郎の映画人にはない、重い発声が道元を演じるにはとても良かった。内田有紀もハマリ役だっただろう。


『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳別れの手紙』
 チケットをもらって、それぞれ2回ずつ観た。去年の年初、それくらい僕はゲバラにハマった。『モーターサイクル・ダイアリーズ』も観直した。ソダーバーグ監督の底力と、デル・トロのチェへの憑依ぶりには感嘆する。28歳は革命に至る道を描き、あえてカタルシスは作品外の作りにしていた。39歳は死へと辿るゲバラの歩みを目を逸らすことなく追った映画。


グラン・トリノ
 試写と劇場で計2回観た。DVDも持っている(3回観た)。DVDが出るまでの間もiTurnesでダウンロードした主題歌を何度も聞きながら、脳内でいろんなシーンを再生した。僕たちがこの作品を愛するのは、その物語自体も素晴らしいのだが、映画人=クリント・イーストウッドが、自らこれまでの作品を総括して、更にひとつ上の結論を提示してくれるからだと思う。書いていてもう一度DVDを観たくなってきた。


鈍獣
 試写で観た。宮藤官九郎を我々は急激に消費し過ぎたのかもしれない。宮藤は常にクドカンと比較される。そして、そのジャッジは時を追うごとに厳しくなっていく。もともと食べ飽きてしまうのが早いクチの味付けだから、それは仕方のないことなのかもしれない。で、そういった一環の映画。


おっぱいバレー
 試写で観た。タイトルと綾瀬はるかということで結構期待していたんだけどな。そりゃ、綾瀬が生おっぱい見せないことは自明なんだから、もうちょっと展開や演出に工夫があれば名作になったかもしれない素材なのになあ。残念。


ヤッターマン
 チケットをもらった観た。あるタイミングでインデックスグループ内に日活をタツノコプロがあったことで成立した映画だろう。三池崇史監督の下品さがうまく作用した作品。でももう少し監督のこの素材に対する愛があればもっといい映画になったかも。


消されたヘッドライン
 試写で観た。主人公を新聞記者にした時点でアクション要素は放棄すべきなのに、サスペンスもアクションもと欲張り過ぎて、どちらも中途半端になってしまう映画の典型。役作りのためラッセル・クロウは<増量>したらしいが、ホントW? ちなみにヘッドラインは消されませんw


『赤い点』
 バルト9で開催されたドイツ映画祭で観た。監督の宮山麻里枝は、ヴィム・ヴェンダースを輩出したミュンヘンテレビ映画大学の日本人初の卒業生で、この作品はその卒業制作したもの。彼女が僕の高校の後輩ということで興味を持ったのだが、ドイツの映画教育システムを知り、日本でもコンテンツ文化だ云々いうなら、まず教育から考えるべきと思った。作品自体も瑞々しい、とても好感の持てる映画でした。峰岸徹も出演していた。
参考記事


『あの日、欲望の大地で』
 チケットを購入して観た。上記の「赤い点」と内容を絡めて感想を書こうとしたがうまくまとまらず放置していた。土地に残された親の<死>という共通項があったと思っていたのだが。この作品が持つ、オンナの<セイ>と<サガ>の提示のすさまじさは、簡単な感想を受け付けない深みがある。


『レスラー』
 チケットをもらって1回、2番館でもう1回観た。好きすぎて感想が書けなかった映画。映画製作をしている友人と飲んだ時、いつかこんな映画がつくれたらいいねと語り明かしたこともある。


路上のソリスト
 目黒シネマで上記を観た時併映作品として観た。ロバート・ダウニー・Jrってこういう演技もできるのかと感心。ジェイミー・フォックスの鬼気迫る演技には逆にいつも通りにのみ込まれる。


脳内ニューヨーク
 チャーリー・カウフマンフィリップ・シーモア・ホフマン入れ子状の物語構造、ニューヨーク等々、僕の大好物の素材の映画なので封切日に観に行った。事前情報で勝手に作っていた僕の脳内「脳内ニューヨーク」とかなり違った映画だったので面食らった。で、整理しきれず感想も棚上げ状態。もう一度観ようと思ったまま年が明けてしまった。DVD化したらもう一度観たいと勿論思っている。