1Q84読中メモ18

第18章(天吾)もうビッグ・ブラザーの出てくる幕はない

 ふかえり『空気さなぎ』がセンセーショナルなデビューを飾るが、彼女は特に意に介さない。先生は天吾に今回のプロジェクトの彼なりの目論見を語る。
<「〜深い池に石を放り込む。どぼん。大きな音があたりに響き渡る。このあと池から何が出てくるのか、私たちは固唾を呑んで見守っている」
 しばらく全員が黙っていた。三人はそれぞれに、水面に広がっていく波紋を思い浮かべていた。天吾はその架空の波紋が落ち着くのを見計らって、おもむろに口を開いた。〜>
 ジョージ・オーウェルの『1984』でビック・ブラザーが世を覇したように、ふかえりの見ることができるリトル・ピープルが1Q84年には巣喰っているらしい。物語は進む。