『スマイル』最終回

 TBS金曜22時の連続ドラマ『スマイル』最終回の録画を遅ればせながら観た。今クールで僕が唯一観ていた日本の連ドラだ。豪華キャストだが10%ちょいの視聴率に、脚本家の交代などいろいろタイヘンだったようだが、11回の放送枠をダレることなくちゃんと使ったよいドラマだったと思う。
 フィリピン人ハーフと声の出ない少女が主役という、まあ重いドラマなんだろうなと思いながら観始めたが、価値観がブレてしまった昨今のニッポンの事件や出来事を上手に織り込んでドラマは進んでいった。
 宗教詐欺、加害者家族への正義をふりかざすマスコミの偏重報道、外国人犯罪、触れざるものとしての人種偏見、カラーギャング、暴力での差別からの脱却、偽装米事件、報道における容疑者と被告の曖昧さ、加熱報道という暴力、権力の都合でねつ造される犯罪者、裁判員制度の危うさ・・・。
 これまで反語的だったドラマタイトルと椎名林檎の主題歌「ありあまる富」の歌詞が、最終回、ちょっとワザとらしいラストシーンで意味が重なった。めでたしめでたし。

スマイル