1Q84読中メモ34

第10章(天吾)申し出は拒絶された
 父親のもとから自分のアパートに戻り、天吾は深い眠りにつく。
<〜翌朝、八時過ぎに目を覚ましたとき、自分が新しい人間になっていることに天吾は気づいた。目覚めは心地よく、腕や脚の筋肉はしなやかで、健全な刺激を待ち受けていた。肉体の疲れは残っていない。子供の頃、学期の始めに新しい教科書を開いたときのような、そんな気分だった。内容はまだ理解できないのだが、そこには新たな知識の先触れがある。洗面所に行って髭を剃った。タオルで顔を拭き、アフターシェーブ・ローションをつけ、あらためて鏡の中の自分の顔を見つめた。そして自分が新しい人間になっていることを認めた。〜>
 そして平穏な日々を過ごし九月をむかえた頃、前触れなく天吾の部屋をふかえりが訪ねてくる。時を同じくして天吾の職場には不快な使者・牛河が最後の通告に来る。
 リトル・ピープルが騒ぎだしたとふかえりは言う。
だからこそわたしたちはちからをあわせなくてはならない」局面に物語は進んでいく。