佐野元春のザ・ソングライターズvol.3(さだまさしpart1)

 録画したのものを観る。
 佐野元春さだまさし、このふたりが対談してる様をTVで観ることができるとは、80年代キッズには想像だにしなかった。時代の中をサバイブしていくということは、時が経ればお互いを認め合うということなのかもしれない。このツーショットでまず感慨深い。
 中学生の頃、さだまさしの詩がとても好きだった。曲としてろくに知らずにその詩に感動した。新潮文庫から歌詞とライナーノーツが併載されるかたちで出版されていた『時のほとりで』と『旅のさなかに』という文庫本を愛読していたからだ(どうやら今は絶版らしい)。番組の中でも触れられていたが、さだの紡ぐ歌詞には生活の様々な匂いがこめられていたと思う(性の匂いだけはしなかったけど)。
 番組でピックアップされた『まほろば』という曲も好きだった。義侠の飲める名古屋の居酒屋「まほらま」に行くたびに、この曲を思い出したものだ。さだの『檸檬』に感銘して、僕は梶井基次郎のその小説を読んだことなど思い出す。
 クラッシック・バイオリンの英才教育を受けたさだまさしが、バイオリンに挫折した後、いちばんやりたかった音楽がジャズロックだったとは初耳だった。

 この番組は全12回で1アーティスト2回の形式で、次のアーティストは松本隆ようだ(これも楽しみ!)。NHKの特異性で、佐野元春桑田佳祐、もしくは山下達郎の<詩>に関する対談が実現したらなあと夢想している。

佐野元春のザ・ソングライターズ]