映画『さそり』感想

ZERO-tortoise2009-07-20



 日本最強のワイヤー・アクション女優・水野美紀の主演作『さそり』を試写で観た。
 梶芽衣子主演のカルト名作『女囚701号 さそり』のリメイクだ。陵辱と復讐の物語を、水野美紀が華麗に可憐に美しく演じ切っている。梶芽衣子の恐いほどの冷たく美しい<松島ナミ>は確かに出色の演技だったと思うが、時代も映画手法も変遷している現在、水野美紀の<ナミ>は、弱さと翻弄を描いた分、また異なったエンディングの選択があったのかもしれないと少し思った。
 ともあれ、水野美紀は、バーニングを抜けてからの方が一皮むけていて、いい感じだと個人的には思う。ちゃんとアクションと向かい合っている、日本の女優として本当に貴重な存在なのだから、もっと活躍の場があるはずだと応援したくなる。ワイヤー好きを公言し、吹き替えなしでアクションシーンをこなす水野美紀には女優魂を感じます。
 ちょっと検索すると、この映画は結構前に撮影されていたようで、水野の公式ブログにも、2007年1月から長期に亘る香港ロケの書き込みがされている。この水野美紀のブログ、自由な感じが醸し出されていて、相当面白い。ますますファンになった。
『さそり』は無国籍なアジア・アクション映画よろしく、日本語吹き替え版で上映される。水野や夏目ナナは本人のアフレコだった模様だが、謎のバーのマスター・石橋凌は別の声優が声を当てていたのはご愛敬ですね。エンディングの中村中による「恨み節」もなかなか迫力があり良い感じだった。


『さそり』
2009年8月8日より順次公開
監督:ジョー・マー
出演:水野美紀、デュラン・クォ、ブルース・リャン、石橋凌夏目ナナ
公式サイト


水野美紀の公式ブログ「いいことだけじゃないけれど」