リアル1984年〜前段

 村上春樹の『1Q84』に感化された訳ではないが、1984年というものにずっと焦がれ続けている1984年を過ごしているさなかから、僕は1984に憑かれていたように思う。この年月はきっと特別なものだと勝手に予感していた。
 そんな僕の時代の感触は、ある意味的中していたし、よくある青春の思い込みだった。うむ、これ自体、自意識過剰からくる分裂気味な典型的思春期の症例かもしれない。

 当時から僕はそんな時代を思ってメモをしてきた。漠然と、統一感なく、でも僕にとってのエポックな出来事を記録してきた。
 で、記憶の再構成も兼ねて、そのメモをランダムにこのブログに掘り起こしてみる。ネットが発達した現在から顧みれば、こんな偏った<クロニクル>は、あまり意味がないかもしれない。でも『1Q84』の中で、青豆が新聞の縮刷版を繰ったように、僕らは記憶(記録)のネットによる検索・照合が可能になるまでは、時代の匂いを残すには、ひとつひとつ<メモ>し、信用のおける本をめくって裏付けるしかなかったのだ、ほんとに。・・・、だっておとぎ話のようだけど、彼女に連絡するのに、携帯電話やメールがない時代って、リアルにあったんだよ、ちょっと前まで、ほんとうに。