映画『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』感想

ZERO-tortoise2009-10-29

 先週末、渋谷で『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』を観てきた。伝説のアニメーター、名前だけは知っていて、予告編を観て、ああ、あの歩く人のヤツかと気づいた。9月からやっていたので早く行かなきゃと思っていたが、10月24日になってしまった。でも、結果的に、上映後、吉田豪しりあがり寿両氏のトークショーがついてきたのでずるずる看過していたのが良かったのかもしれない。
 ライアン・ラーキンを検索して「ライアン・ラーキン、幻想の依存的誘惑に囚われて」というサイトを見つけた。クリス・ロビンソン(訳・土居伸彰)氏は、ラーキンがいかにして路上生活者になっていったかを詳細に教えてくれる。ラーキンはコカインとアルコールにおぼれ、女と男の恋人に金を持ち逃げされ、堕ちていったのだ。今回の上映では、ライアン・ラーキンの四つの作品、1965年『シランクス』、1966年『シティースケープ』1968年『ウォーキング』1972年『ストリート・ミュージック』に加えて、未完に終わった遺作、ライアンの実写ドキュメンタリーもかかる。また、ライアンを題材(?)にしたクリス・ランドレス監督による2004年度のオスカー受賞CGアニメ『ライアン』も印象的だ。吉田豪も言っていたが、山本英夫のコミック『ホムンクルス』をCG化したような表現が斬新だ(というか山本がこの作品に影響されたのかもしれないが)。

 もしライアン・ラーキンがスタッフにめぐまれていたら、ユーリ・ノルシュテインフレデリック・バックを凌駕するアート系のアニメーションをもっともっと遺していただろう。
 渋谷ライズXでは、11月1日(日)19:40の回上映後、大山慶さん(アニメーション作家)と土居伸彰さん(アニメーション評論)のトークショーが開催されるようです。
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『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』
渋谷・ライズX 11月7日まで公開中
名古屋・シネマスコーレ 11月7日(土)より公開 
大阪・シネマート心斎橋 11月21日(土)より公開

20代でアカデミー賞にノミ ネートされるなど世界的評価を集めながら、突然ホームレスとなって姿を消した伝説のア ニメーション作家、ライアン・ラーキン。

たった4本の短編で世界を魅了した伝説のアニメーション作家のすべてがここに!!

公式サイト

ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード

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  • 作者: クリス・ロビンソン,土居伸彰
  • 出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス
  • 発売日: 2009/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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