1Q84読中メモ23

第23章(青豆)これは何かの始まりに過ぎない

 奔放な性を享受しているある種の女性は、原体験として男性に対する恐怖感が植え付けられていることがある。その反動として不特定の男との性に身を埋め、自分の根をぼやかそうとする。
 青豆のシングルバーでのパートナー・あゆみは語る。
<〜「やったほうは適当な理屈をつけて行為を合理化できるし、忘れてもしまえる。見たくないものから目を背けることもできる。でもやられた方は忘れられない。目も背けられない。記憶は親から子へと受け継がれる。世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘いなんだよ」〜>
 いっぽう、老婦人の屋敷には「始まり」を示す不気味なサインがされる、残酷なかたちで。