1Q84読中メモ25

BOOK2<7月-9月>に突入。村上春樹の著作で分冊された長編のうち、『ダンス・ダンス・ダンス』『海辺のカフカ』はそれぞれ上・下で、章の番号も通しで書かれた。『ねじまき鳥クロニクル』は第1部・第2部で発表され、チャプターはそれぞれふられていた。そして時期を開けて第3部が発表された。ってことは、『1Q84』は必ずしも2冊じゃ終わらないということだろうか。

 ともあれ、BOOK2。
第1章(青豆)あれは世界でいちばん退屈な町だった
 老婦人の屋敷に呼び出された青豆はめずらしく憔悴した様子のクライアントと対峙する。残された不吉なサインは老婦人を揺さぶる出来事を引き起こしていた。
 経過した状況と判明した情報と説明した後、老婦人は今一度青豆に「仕事」完逐の覚悟を確認する。青豆も決意を新たにする、ある悲壮な決志をもって。
 屋敷のボディガード・タマルと青豆のハードボイルドな会話。
<〜青豆はワンピースの袖をなおし、ショルダーバッグを肩にかけた。「そしてあなたはそのことを気にしている。もし拳銃が登場したら、それはどこかで発泡されることになるだろうと」
チェーホフの観点からすれば」
「だからできることなら私に拳銃を渡したくないと考えている」
「危険だし、違法だ。それに加えてチェーホフは信用できる作家だ」
「でもこれは物語じゃない。現実の世界の話よ」
 タマルは目を細め、青豆の顔をじっと見つめた。それからおもむろに口を開いた。「誰にそんなことがわかる?」〜>
 物語は、「ふかえり」のラインでも「青豆」の章に浸食していくイメージを提示し始めた。