映画『エスター』感想

ZERO-tortoise2009-10-11

 9月に試写で観たのだが、昨日から公開されているようですね。サスペンスホラー。いろいろ問題を抱えている夫妻が、3人目の子供を死産してしまった悲劇を、孤児院で目を引いたロシア出身の9歳の孤児・エスターを養子に迎えることから物語は始まる。
 まず結末のオチが決められて、そのためのストーリーラインと、登場人物の設定をしたような作品だと感じた。妻は元アルコール依存症の音楽家。夫は浮気がばれた過去のある建築家。息子はそんな両親にスネて皮肉れている。幼い娘は聴覚に障害を持つ。
 うーん、「しかけ」の都合で配置されたキャラクターってやっぱり魅力的でないというのが正直な感想。キャストはみな頑張っていたと思うが、多くの(中途半端な)ホラー映画がそうであるように、ああ恐かったで終わっちゃうんだよなあ。ワーナーが国際配給する映画だから存分にシノプシスはディベロップされているし、スクリプトドクターのチェックも受けているのだろうが。
 そしてこれは重要なことだが、彼女の正体が分かった後も、その行動動機がどうしても理解できなかった。僕が見落としただけだろうか? <絶対悪>ってこと? ホラーを見に来ている観客に対するお約束的の前半の何気ない日常を描くシーンでの脅かしとか、こなれた映画であることは確かなのだが、ホラーキャラとしてのジェイソン・フレディ・チャッキーのようなメタ化があれば「エスター」も違ったホラーとして観れられてたかもしれない。シリーズ化したりしてね。

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10月10日鳥肌注意報
この娘、どこかが変だ。

愛らしい孤児エスターの驚愕の正体が暴かれる時、
全世界の心臓が止まるーーー。

2009年10月10日よりロードショー
エスター」
原題:Orphan(孤児の意)
監督:ジャウム・コレット=セラ
脚本:デビッド・レスリー・ジョンソン
出演:ヴェラ・ファーミガピーター・サースガード、イザベル・ファーマン、CCH・パウンダー、ジミー・ベネット、アリアーナ・エンジニア

「エスター」公式サイト