映画『電信柱エレミの恋』感想

ZERO-tortoise2009-11-06

 ストップモーション・アニメーション『電信柱エレミの恋』を東京都写真美術館ホールで観た。
 自分を修理してくれた電力会社の作業員タカハシに恋をしてしまう、電信柱・エレミの切ないラブストーリー。タカハシと話がしたくなったエレミは電話回線に侵入し(電柱だしね)、人間の女の子のふりをして電話をかけてしまう。謎の女性に当惑していたタカハシだったが、徐々に二人は打ち解けてゆく。

 中田秀人氏と3人の造型技術師で結成されたソバットシアターの自主制作パペットアニメーションとのことだが、寡聞にして僕はソバットシアターの事を知らなかった。「電信柱エレミの恋」はとても丁寧に造り込まれた柔らかな空気感のあるアニメーションで、ストーリーと共にとても気に入った。いやいや感動しましたよ。個人的には、孤独で気優しい青年・タカハシのペットが、パロムという名前のカメだというのもお気に入り。
 コマ撮りアニメの制作には気の遠くなる時間が必要だが、この作品には8年の歳月を費やされたらしい。原作者と中田監督は学生時代からの友人らしく、その辺のいきさつは原作者・井上英樹氏のブログに詳しい。

写真美術館ホールのロビーには、撮影で使用した「タカハシの部屋」や、電信柱さんや変電器さん達が展示されていて楽しい。

(全然関係ないが、タカハシ・タカハシこれだけ書いているとラーメンズのネタを自然想起してしまうw)
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東京都写真美術館恵比寿ガーデンプレイス内)にて上映中
2009年10月31日(土)〜11月27日(金)


街のはずれで秘そかに灯る、
電信柱の静かな“事件”


『電信柱エレミの恋』
監督・脚本・撮影・編集・キャラクターデザイン:中田 秀人
原作:井上英樹
造形技術:松尾憲樹 / 細井浩和 / 増田成朗
音楽:tico moon
助成:(財)五島記念文化財
制作:ソバットシアター

公式サイト