映画『パイレーツ・ロック』感想

ZERO-tortoise2009-11-09

 1966年の英国を舞台に、取締りの網を抜けるため公海に船を浮かべて、24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、そんな<堕落した>放送を規制しようとする政府の攻防を描いた痛快ストーリー。英語タイトルの「The Boat That Rocked」がいろいろな意味を成していて楽しい。
 60年代のイギリスには本当にこうした海賊ラジオ局がいくつも実在して、それを下敷きに豊かなストーリーを紡いだリチャード・カーティスって本当にウマい監督だなあ。船上のDJ・スタッフのキャラ付け完璧だし(フィリップ・シーモア・ホフマンがカッコいい役!!)、童貞少年の乗船から始まる物語の流れも入り込みやすい作りになってるし。集まった男たちをリリースとかでは“ヒッピー”と呼んでいるが、まあ、愛すべきボンクラ男たちの繰り広げるエピソードは本当に笑える。そのくせ、ボンクラならではの泣けるシークエンスもちゃんとある。みんながビル・ナイに敬礼するシーンは涙がこみ上げました。もちろん全編にロックンロールが一番輝いて時代のヒットナンバーがあふれている。いい映画です。

 トンデモ映画の「東宝東和」というイメージを僕は持っていたのだが、昨今「路上のソリスト」や「パイレーツ・ロック」を買付け・配給、いやいやおそれいりましたといった感じだ。そして何より、『イングロリアス・バスターズ』も栄光の東宝東和だ!!
 予告編としては、下記の日本版(上)よりアメリカ版(下)の方がノリが実際の映画と合っていて個人的には好きだ。
ところで何で東京で2館しか上映してないんだ??!
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2009年10月24日から公開

原題:The Boat That Rocked
監督・脚本:リチャード・カーティス
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、トム・スターリッジビル・ナイリス・エヴァンスケネス・ブラナー、クリス・オダウド、キャサリン・パーキンソン、リス・ダービー、トム・ウィズダム

公式サイト