洞口依子映画祭に行ってきた
渋谷唯一の名画座・シネマヴェーラ渋谷で2009年11月7日から20日まで洞口依子さんのデビュー25周年を祝う「洞口依子映画祭」が開催中だ。
僕は11月14日(土)に行ってきた。ラインナップは、洞口のデビュー作『ドレミファ娘の血は騒ぐ』と『CURE キュア』。その間には洞口依子と両方の作品を監督した黒沢清のトークイベントもあり、イベントの時点では150席弱の劇場は満席立ち見状態だった。
万田邦敏氏の『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』を手に登壇した洞口さん、そして黒沢清監督、司会進行は映画評論家の暉峻創三氏(『ドレミファ〜』にはテルオカとして出演)が並ぶ。内容に関しては映画祭の公式ブログに詳しいのでそちらをご参照の程を。
ロマンポルノ作品『女子大生・恥ずかしゼミナール』(仮題)として撮影されたがお蔵入りになり、再撮で主にビデオ撮影のシーンが加わり(カメラを犬童一心監督に借りたそうだ)、80年代的映画たるラストシーンが追加されたという(このシークエンスは音声同録のフィルムだったとのこと)。85年公開当時、パルコ劇場で上映されていたのは記憶にあるが、高校生だった僕は観に行くことができなかった(羞恥心と自尊心の日々よ…)。この歳になって改めてスクリーンで観ることができて、しかも生・洞口と生・黒沢のトーク付き! 多分、同じような心境のファンが会場を埋め尽くしていたと思う。
トークのエピソードをもうひとつ。後日、黒沢監督が洞口さんのドラマの撮影をTV局に「見学」に行った時、撮影の合間スタジオの片隅で並み居る大御所俳優が談笑するなか、ADの「洞口さん、入りまーす」の声にピーンと皆に緊張が走ったというw 黒沢監督はそんな洞口さんに驚き、一方誇らしくもあったと嬉しそうに語っていた。たぶん、このドラマだと思うが、やはり、洞口依子には当時から別格の映画女優の風格があったのだろうw
日程も残り少なくなってしまったが、最終日には急遽クロージングイベントが決まったらしいので、洞口ファンは是非! 非売品パンフも素晴らしいし。
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