「緊急事態宣言」日記 41日目
2020年5月18日 月曜日(41日目)
※東京都の新規感染陽性者数:10名
ガンジス川が清流に変わったらしい。茶色に濁った聖なる河として僕らが認識しているあのインドの大河が川底が覗えるくらい澄んでいるという。たった3ヶ月人々がいつもの生産活動を停止すれば自然はその姿をたちまちに変えるらしい。インド総人口13.6億人がロックダウンするといつもは北インドから臨めないヒマラヤ山脈も見えるようになったという。スモッグに包まれて遠景を知るよしもなかったロサンジェルスも山に囲まれた街だとロス市民は認識を新たにしている。数値的にもPM2.5が40%減少した。ゴンドラに攪乱されることがなくなったベネチアの運河にはクラゲや小魚が優雅にたゆたう。そしてほとんど外気を吸わなくなった僕の鼻くそも黒くなくなったことに今日気づいた。
「緊急事態宣言」日記 40日目
2020年5月17日 日曜日(40日目)
※東京都の新規感染陽性者数:5名
「ニューズウィーク日本版」の記事によると、調査会社インテージが発表したコロナ禍での日本の消費動向について前年比で草加率の高かったもの・低かったものが挙げられた。3月以降の数字のため、マスクや消毒液等すでに品薄化されたものは低い順位となっているが、それぞれ興味深いものをピックアップしてみると、
○増加率が高い商品
1位 うがい薬
6位 小麦粉
7位 ホイップクリーム
8位 石鹸
12位 ぬれティッシュ
13位 体温計
15位 スパゲッティ
16位 パスタソース
家庭内の消毒や予防に関するものとステイホームによる食材・お菓子作り用素材などが伸びている。
○減少率が高かったもの(売れなくなったもの)
1位 鎮暈剤(乗り物酔い止め薬)
2位 口紅
3位 日焼け止め
4位 強心剤
5位 テーピング
外出が減り、乗り物には乗らず化粧もしない(7位ほほべに 8位ファンデーション)、日焼けもしないし、無理に歩かないから薬もいらない……ということだろうか。なかなか興味深い。
「緊急事態宣言」日記 39日目
2020年5月16日 土曜日(39日目)
※東京都の新規感染陽性者数:14名
小池東京都知事はコロナ禍に際してどこかはしゃいているようで何かいやだと前にも書いたが、その本質(?)が分かった。一連の小池さんの立ち居振る舞いがドッグトレーナーのそれに類似しているのだ。毅然と発せられる命令はしつけの悪いワンコ(われわれ都民)をぴしっと律する。小池トレーナーは犬の眼を見据えて言う、「ステイ!(待て、おあずけ)」と。犬たちがじゃれていると「蜜です!」と叱る。その丁寧語・敬語(とカタカナ言葉)は決して謙譲的なものではなく、厳しく上品な自分を高めるために、犬にも聞き取り易く区切って命令されるのだ!
雨の一日、9時にヤマト運輸がペット関連サイト「チャーム」からのダンボールを届けてくれる。リクガメフード(九官鳥の餌だけどヤツはこれしか食べない)やエビ玉餌、黒風船モーリー用白点病の薬等ペット関連の諸々が必要となり久しぶりに発注。送料無料の条件6千円以上にするため、また自粛癒やしのためにこれまた久々に生体も頼む。60センチ水槽にアフリカンランプアイ10匹と縞々うにゅうにゅのクーリーローチ3匹を投入。縞うにゅ君たちはすぐにどこかに隠れいて見つからなくなった。青いランプアイとオレンジのラスボラエスペイのコントラストはなかなか綺麗。
「緊急事態宣言」日記 38日目
2020年5月15日 金曜日(38日目)
※東京都の新規感染陽性者数:9名(3/22以来のひと桁)
小池都知事が自粛要請縮小の「ロードマップ」と、再度感染者が増加傾向の時示す「東京アラート」を発表した。また横文字……。実家の母が小池さんの横文字に対応するため「クラスター」「ロックダウン」「オーバーシュート」「パンデミック」等々の意味を書いたメモ帳を持っていたのには驚いたが、まあ、ボケ防止にはいいのかもね。
NHKの-BSの「地球タクシー 大阪編」を観た。あらゆる国や地方のタクシーの乗客になって幾人かのタクシードライバーに話を聞く1時間のドキュメンタリーだが、50代の女性運転手が当然のようにお客に対してアメちゃんを配っていた。関西のおばちゃんのカバンやポッケには何種類かのキャンディが必ず入っているのはもはや常識だ。小中学生の頃、僕は兵庫県に住んでいた経験があるのだが、そうか、あの頃の同級生の女の子たちも、地元に残った子はみんなアメちゃんを配るおばちゃんにきっとなっているんだなと気づいた。人間万事塞翁が馬である……ちょっと違うな。
「緊急事態宣言」日記 37日目
2020年5月14日木 曜日(37日目)
※東京都の新規感染陽性者数:30名
全国に出されていた「緊急事態宣言」に関して39県に対しては解除することになった。東京・大阪・北海道等の8都道府県は継続される。解除の「目安」としては1週間の感染者数が人口10万人あたり0.5人未満とするらしい。東京都で考えると、東京は総人口約1400万人だから10万で割って0.5を掛けると70、つまり1週間で感染者数が70人未満、1日平均10人未満ということになる。世界的に見てかなり厳しい基準らしいが、東京の人口が1400万だから0.5にしとくと1日10人でわかり易くない?という逆算で決めたんじゃないよね? 解除=自粛停止→開放、自由ってことで2次3次感染がどどんと来ないといいけどね。
「緊急事態宣言」日記 36日目
2020年5月13日 水曜日(36日目)
※東京都の新規感染陽性者数:10名
NHKの朝のニュースにお天気の山神さんが今週あたりから帰ってきた。緊急事態宣言からこっち、NHKのニュースキャスター連も「3密」を防ぐため、帯レギュラー・週末シフト等のアナウンサーや天気キャスターの枠を取っ払い順不同的にイレギュラーにニュース番組を編成してきた。そして縮小の跡は伺えるがGW明けからぼちぼち昔のレギュラーが戻ってきた。山神さんは朝5時~8時のニュース枠で天気キャスターを担当していて、6時半前の気象情報のコーナーでは「でかける天気・かえる天気」として、安いハンドパペットのカエル「でかけるん&かえるん」を相手にお天気寸劇をNHK前のアウトドアで現在の天気の状況も含めて見せてくれていた。締めのセリフ「それでは、いってらっしゃ~い」でカエルと共に手を振る山神さんはなかなかキュートだった。復活の山神さんは現在の6時半天気情報ではひとりで外からお天気を僕たちに伝えてくれる。「あれ? カエルたちは?」と思ったが、よく考えると不要不急の外出自粛の中では「でかける天気・かえる天気」は出来ないと気づいた。NHKの倉庫の片隅に仕舞われた2匹のカエル人形が画面にいつか帰って来る日を待ち望んで止まない。
「緊急事態宣言」日記 35日目
2020年5月12日 火曜日(35日目)
※東京都の新規感染陽性者数:28名
不穏なBGMをつけて「あおり」演出で感染に関して素人のコメンテーターに断片的で直情的な意見を言わせ視聴率を稼ぐあらゆる民放のワイドショーとニュースショーをできるだけ観ないように心にやっと決めた。もう刻一刻を争う情報は必要なく、大局的俯瞰して今とこれからを考えなければならないと思ったから。