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小説『ノルウェイの森』を21世紀になって初めて読み返す

12月公開のトラン・アン・ユン監督の映画の予習として旧い本棚を漁る。1987年の秋、発売時に買った赤と緑の単行本、NYの紀伊国屋で買った黄色い背表紙の講談社文庫、村上春樹全集1979ー1989第6巻、そして様々な言語に翻訳されたペーパーバック(外国旅行のス…

村上春樹の掌篇小説『蟹』を読む

先日、新たに編まれた村上春樹の短篇集『めくらやなぎと眠る女』が出版された。村上の外国のファンにために彼の選りすぐりの短篇で構成されたコレクションで、それを<逆輸入>の形で再構成したもので、『象の消滅』に続く第2短編集となる。 今回の本の中に…

絵本『くもりときどきミートボール』

久々に映画以外の書き込み、でも先週観た映画の原作が気になって区の図書館で借りてみたものですが。 このお話は原題が「Cloudy with a Chance of Meatballs」ということにまず驚く。映画も絵本もミートボールはそれほど本筋とは関係ないと思うけど、まあ天…

『ブイヨンの気持ち。』糸井重里

春先の事だ。土曜の昼時に渋谷に出る用事のあった僕は、母校の青学の学食で昼飯を食べようと思いついた。きっとメニューは変わっているけど、あの地下の学食の閉塞感は妙に懐かしかったので、さてさてということで渋谷から青山通りに急いだ。 大学に着いてみ…

『日本人の知らない日本語』

『1Q84』が発売される前、アマゾンで総合1位を獲得したベストセラー・コミックエッセイ『日本人の知らない日本語』を今更読んだ。というか、図書館で予約して(したことすら忘れていたが)半年くらい経ってようやく予約の番が回ってきたので読むことができた…

「じみへん 自由形」

「PLUTO8」「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN19」「バガボンド30」を買ったまま安心して放置しているのに、中崎タツヤ「じみへん 自由型」は、手に入れるとすぐに読み観始める自分は特殊なのだろうか? アマゾンに表紙イメージすらないし。小学館なのに。でも、…

「謎の1セント硬貨」真実は細部に宿るinUSA を読んだ

どこかの書評でおすすめだったので、図書館で予約して読む。順番が巡ってくるまで3ヶ月くらいかったかな。 で、とても面白かった。よく知らなかったのだが、今年の「講談社エッセイ賞」受賞作らしい。不勉強で、著者の向井万起男氏のことも、日本人初の女性…