「緊急事態宣言」日記 4日目

2020年4月11日 土曜日(4日目)

※東京都の新規感染陽性者数:197名(4日連続これまでで最大…)

 

 新型コロナ禍とは関連しないが、大林宣彦監督が亡くなった。薬師丸ひろ子の『狙われた学園』で知り、「何だ?このちゃちな合成映像の映画!」と中学生の僕は拒否反応を示し、続いて薬師丸『探偵物語』の併映として観た『時をかける少女』にはボンクラ高校生にとっていろんな意味で棒のような原田知世を舐めるように撮る意味不明サイケ映画にしか思えなかった。「a film…」で始まる大林映画が語るすべてはツクリモノだというトーン&マナーはふへん(不変・不偏・普遍)だった。僕のいちばん衝撃を受けた大林作品は『この空の花~長岡花火物語~』、一輪車の少女群舞はずっと忘れない情景となった。一度だけ大林監督をお見かけしたことがある。10年ほど前だっただろうか、会社のトイレに入ると洗面台で大林さんが静かに手を洗っていた。僕が二度見するように驚いて鏡越しの監督と眼が合うと、小さく会釈して出て行かれた。あの当時はまだCMを撮ることもあったのだろうか? なぜ広告会社のフロアにいたかは不明だ。遺作(まごうことなき「振り切った」映画らしい)の上映が延期になったことはコロナ禍といったらそうかもしれない。享年82歳。合掌。

 

  自炊が面倒になり夕刻、総菜を買いに近所のスーパーへ。結構混んでいて子連れのお父さん客が目立つ。クラスター以外で現在東京でいちばん感染リスクが高いのは電車で通勤するサラリーマンのような気がする。そのサラリーマンが週末子連れ父として(ちょっと外に空気を吸いに)普段通い慣れないスーパーに子供と来ているのだろう。自分の幼い頃、大型台風来襲前の非日常感に浮き足立ったものだ。今の子供たちの心情もそれに近いのだろうか、はしゃぎ回り父親と絡むガキどもw 「お父さん! これ、買っていい? ねぇ!!」父が反応しないとマスクを外して大声で叫び僕の横を走り抜けるお子様。レジ待ちに間隔を開けて並んでいると、「ねえねえ、早く飲みたいよ!これ」と不器用にカートを弄び僕の腰にがつがつぶつけてくる。振り返り睨んでみてもパパはにこにこしているだけ(お前、仕事できないだろう、ゼッタイ!)。2週間後僕が感染者となったらこのスーパーでのこの「接触」が原因だろう。

 

 世界全体では、新型コロナによる死者10万人超え、感染者は160万人超。