佐野元春のザ・ソングライターズ vol.10 矢野顕子Part2

 9月12日放送を録画で観た。「愛をめぐる5W1H」をテーマにしたワークショップ。聴講する学生たちがテーマを自由に解釈してシートに記入したものを佐野元春が何人かピックアップして読み上げる。それを聴いて矢野顕子が即興でメロディを乗せて歌う。矢野のメロディと言葉が立ち上がる瞬間を目の当たりにする(元春さんの表現)。彼女のソングライティングの自由度に驚愕し鳥肌が立った。やっぱ、このひとスゴイ。
 矢野だけが辿ることができる、言葉が本来持つ音韻に耳を澄ませて、そして涌き上がる情景に遠近を表現したもの、それが矢野顕子の歌なのかもしれない。矢野は言う。「簡単な言葉で難しいことをいうのが一番難しい」。そのための武器が彼女の歌なのだろうか。
「愛」というテーマで、いわゆる恋愛とは違った愛を書いた学生がいた。実際の生活で恋愛の占めるパーセントは実はわずかで、生活と愛を直結させるものは、肉親や友達とのそれである方が多い。だから恋愛じゃない「愛」にフォーカスしているのは何だか嬉しい。生活というベースを常に忘れない矢野顕子らしいコメントだ。
 女性の学生から「女であることの不平等さをどう思うか」という問いに対して、矢野顕子は真剣に答える。社会はどうしても公平にはできていない。だからその矛盾に突き当たったらまず自分の考え方を変えるしかない。自分が自分であるために、自分をとらまえる認識を高くきちんと持つこと、それが誇りにつながる。
 いろいろ考えさせてもらいました。

 来週は大トリアーティスト、Kjこと降谷建志。どうしよう、この番組ゲストの中で、はじめてCD持ってないし、ちゃんと聴いたことがないソングライターだ。TSUTAYAに行こうかな。

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