映画『白日夢』感想

 映画『白日夢』を試写で観た(結構前だけど)。
 武智鉄二監督の「白日夢」は、80年代「本番映画」としてセンセーショナルなヒットをした。で、そのリメイク。旧作の主演女優・愛染恭子いまおかしんじの共同監督の作品。リリースだと、濡れ場パートは愛染、ドラマパートはいまおかが演出したと書かれていたが、メンズサイゾーの記事によると、愛染は女性が中心の場面は自分、男性が中心の場面はいまおかが監督したと語っている。そんなディレクトの分け方って・・・。まあ、無理があったようで現場でも両監督の演出の方向性でぶつかり合うこともあったようだ。
 主演はこの作品が映画デビューとなる西条美咲。ロリ系の女優が体当たりの演技(この表現方法大嫌いだからあえて使う)で、21世紀の<本番映画>として話題性を狙ったようだ。共演は元・ジャニJRの大阪俊介、よく知りませんが。怪パフォーマー鳥肌実が西条が思いを寄せる歯科医を演じる。
 個人的にあまり趣味でなかったこともあるが、西条美咲が演じる役の位置づけがよく理解できなかったし、魅力もあまり感じなかった。彼女の動機づけは説明されているので、まあ解るが、それに夢うつつに翻弄される大阪演じる警官の心の揺らぎについてゆけなかった。説明過剰な箇所と、独りよがりなシークエンスが無作為に入り交じるので、一本の映画として観ているととても疲れる。前述のような共同監督の演出方法では仕方がないだろうけど、さ。
 大阪俊介の濁った白目は今回の役柄にハマっていた。あれが狙った演出ならちょっと感心する。でも、どうしてあんなサイズの合わない制服を大阪は着ていたのだろう? アホアホな坂本真演じる部下警官はあほあほでよかった。
 教訓:鳥肌実の歯医者は嫌だ。
 銀座シネパトスでは武智鉄二監督の旧作もレイトショー上映されている(9/4〜9/13)。
_____________________________________

日本全土を衝撃の渦に巻き込んだ「本番映画」
公開から28年の時を超えて衝撃の復活!

2009年9月5日(土)より、銀座シネパトス、シネマート六本木ほか全国順次ロードショー
「白日夢」
監督 愛染恭子いまおかしんじ
原作 谷崎潤一郎
出演 西条美咲大坂俊介菅田俊鳥肌実
配給 アートポート

映画「白日夢」公式サイト

シネマトゥデイ記事